盟約宮の婚儀王に運命の番と定められたΩの俺は、抗えない

盟約宮の婚儀王に運命の番と定められたΩの俺は、抗えない

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900
盟約宮の婚衣工房の縫箔師――豪奢な刺繍ひとつ満足に成せぬ、下働きの俺、トウカは、焼けた邑の孤児上がり。役立たずの縫い手。己が誰かの運命であるはずがない、そう思っていた。国中の民の運命の対=番を儀で結び定める、盟約宮の婚儀王ザッハリ。万人の縁を統べる荘厳の人でありながら、その"盟約の血"は濃すぎて、昂れば近づく者を望まぬ相手にまで結わえかけ、誰も傍に寄れぬ――そして、己自身の番だけは、けっして結べぬ呪いを負う。ある定めの儀の夜、下地の白妙の婚衣を運んでいた俺は、生まれて初めての発情期に襲われる――自分がオメガだと、その日まで知らなかった。群がるアルファの宮人を、盟約の血の暴走が縁の金糸で退け、誰も近づけない。震える手で、俺はただ、いつもの針を白妙の婚衣にひと針、入れた。すると、暴走していたはずのその血が、俺の一針に留まり、凪いだ。縁紋の浮かばぬはずの白妙の婚衣に、初めて縁紋が浮かび、それは、俺を指していた。「これだ。俺自身の縁を結ぶ針。お前が、俺の運命の対だ」。下働きのはずの俺を、婚儀王は番と定め、なぜか、逃してくれない。俺の中に眠る"縫箔の血"だけが、万人を結べど己を結べぬ婚儀王の呪いを解けると、やがて知る。番化、媒約頭の企み、縁組の名家のアルファによる略奪――荘厳の宮で、俺は役立たずのはずが、この人にだけは、運命として選ばれていく。BL異世界オメガバース長編・全10章完結。

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    7月28日発売予定

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