白塩湖の塩王に運命の番と定められたΩの俺は、抗えない

白塩湖の塩王に運命の番と定められたΩの俺は、抗えない

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900
内陸の乾いた大地に、唯一潤む白塩湖がある。その塩田で塩を汲む下働き――塩を掘る力も持たぬ非力な俺、ミオンは、白塩宮の古い慣わしで、生贄同然に宮の塩汲みとして召し出された。逃れられぬ運命。いつ干からびさせられてもおかしくない、そう思っていた。白塩湖を統べる塩王ヴェルンハルトは、代々の"白塩の血"が濃すぎて、血も涙も塩に変わり、触れた水も命も涸らすと畏れられる男。傍に立つだけで泉が涸れ、人が干からびる。誰も、生きて近づけない。その召し出しの夜、俺は生まれて初めての発情期に襲われる――自分がオメガだと、その日まで知らなかった。群がるアルファの塩官たちを、涸らす気ひとつで退けた塩王に、誰も近づけない。震える手で、俺はただ、いつもの柄杓で塩泉を掬った。すると、あらゆる水を涸らすはずのその男の傍で、俺の掬った一掬いは、涸れなかった。「この潤いだ。俺の渇きを潤す汲み手。お前が、俺の運命の対だ」。生贄のはずの俺を、塩王は番として遇し、なぜか、逃がしてくれない。俺の中に眠る"塩守りの血"だけが、涸らす塩王を潤せると、やがて知る。番化、塩座の元締の企み、隣領の塩商団の若頭による略奪――内陸の白塩湖の宮で、俺は生贄のはずが、この人にだけは、涸らされず、潤されていく。BL異世界オメガバース長編・全10章完結。

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    7月28日発売予定

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