甘露宮の饗宴王に拾われたΩの俺は、番として離してもらえない

甘露宮の饗宴王に拾われたΩの俺は、番として離してもらえない

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900
甘露宮の饗応の菓子職人――非力で役立たずの下働きの俺、ミルフィは、宮廷菓子頭に見放され、宮を追い出されかけていた。孤児で拾われた身。いつ捨てられてもおかしくない、そう思って生きてきた。味の頂を統べる甘露宮の主、饗宴王ヴァレリウスは、その血が濃すぎるがゆえに、あらゆる味を灰の味に感じ、何を食べても味がしないという飢えを抱えた男。誰も、彼の灰の舌に本当の甘さを返せなかった。追い出されかけた俺を、あの人はなぜか拾い上げた。その夜、俺は生まれて初めての発情期に襲われる――自分がオメガだと、その日まで知らなかった。群がるアルファの宮人を、噎せ返るほどの甘やかな気ひとつで散らした饗宴王に、誰も近づけない。震える手で、俺はただ、いつもの一匙の氷菓を差し出した。すると、何を食べても味がしなかったはずのその男の舌に、俺の菓子の甘さが、灯った。「この甘さだ。俺の飢えを満たす打ち手。お前が、俺の運命の対だ」。追い出されかけた俺を、饗宴王は番として拾い上げ、二度と離さないと誓う。俺の中に眠る"糖蜜の血"だけが、灰の舌の飢えを満たせると、やがて知る。番化、菓子頭の企み、客将の料理頭による略奪――甘露宮の宮廷で、俺は役立たずのはずが、この人にだけは、離してもらえない。BL異世界オメガバース長編・全10章完結。

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    7月28日発売予定

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