雷雲と電光に閉ざされた帝都・鳴雷京。かつて避雷の鐘守を統べた名家・鳴弦家の最後の末裔として、俺、綺羅は、没落した誇りだけを胸に、避雷鐘楼で鎮雷の鐘を撞いて生きてきた。天下を統べる長命の雷帝であろうと、膝など折るものか──そう背筋を伸ばして。花雷の宴の夜、俺は初めての発情期に襲われた。Αが殺到する危うさの最中、俺を腕に囲ったのは、天雷神の血を引く帝──紫電の帝と畏れられる、天雷の支配者・迅だった。「気高いな。だが、お前は俺の番だ」。百年、帝座で運命の対を待ち続けたという金雷の瞳が、俺だけを射抜く。番の儀式、帝座を巡る政争、天雷神の血の系譜、鳴弦の護符──誇り高く抗いながら、俺はやがて、自ら項を差し出す。BL異世界オメガバース長編、全10章完結。

