言葉を交わした事はない。けれど顔と名前は知っていた。二年間、ずっと……それだけだった。生真面目な大学生の冴島千歳は、入学したころから1人の同級生がずっと自分を見ていることに気づいていた。彼とは話したことはない。ただ、見られていて、見られていることに「気付いている」だけ。どちらかというと彼、桐生が苦手だったが、同じゼミに入ったことから二人の距離が縮まり……※本作は橙の個人誌作品の電子書籍版となります。詳細