——愛、だなんて俺とは縁遠いものだと思っていたのに。花の国と呼ばれたアイゼンブルグ王国は、暴君が支配するナハト帝国の侵略によって滅ぼされた。王家唯一の生き残りとなった王女オルガは敵国へ連れて行かれるが、皇帝に殺されそうになったところを皇帝の弟フェルナンドに救われ、その庇護のもと大切に育てられる。それでも、祖国へ帰ることだけを心の支えに生きてきた。しかし八年後、成人したオルガは皇帝に妾として望まれてしまう。フェルナンドの助けで難を逃れたものの、逃亡の途中でひとりとなってしまったオルガは、新たな護衛を求めて奴隷商館を訪れる。そこで出会ったのは、奴隷に落とされた狼族の戦士ウォーレン。アイゼンブルグへたどり着いた暁には自由を与えることを条件に、二人は奴隷契約を結び、ともにオルガの故郷を目指すことに。はじめは人間嫌いで反抗的だったウォーレンも旅を続けるうちにオルガへ心を開き、互いの距離は次第に縮まっていった。だが、皇帝の追手はなおも二人の行く手を阻み——
