波乱に満ちた四十年。
いつも、あなたが傍にいた。
十歳で婿入りした四男坊が強く優しき妻と歩んだ、郡奉行への道。
武士として、父として、夫として。
迷いながらも弛まず辿った軌跡を四季の移ろいと共に描く、感動の時代小説。
四十年の時を経て、あなたに伝えたいことがある。
寛政十二(一八〇〇)年、三十石取りの平侍の四男・十歳の清四郎は、二百石取りの大沼家へ婿入りする。妻となるのは、己よりも背が高く、蛇を素手で掴むほど肝の据わった佳乃。身分違いの縁談に戸惑いながらも、佳乃の温かな心根に触れた清四郎は、農政を担う郡奉行を志し武士として歩みはじめる。
藩内の政争や凶作に苦しむ百姓との対立、家族の死など、幾多の困難も佳乃と共に乗り越え、ひたむきに務めを全うする清四郎。
しかしその先で待ち受けていたのは、長年己を支えてくれた佳乃の異変だった。
人生最大の岐路に立った清四郎が、最後に選んだ道とは――
