「きれいな顔」のおかげで、今まで良いことなんか一つもなかった。 そう言われるのも、思われるのも、ずっと嫌だった。 ~『きれい。』 無表情で一見冷たそうに見える村野の中の、焼け付くような熱さ――。その熱に、初めて触れた気がした。 ~『温度。』 高校2年生になる熊崎剛毅は、とびきり綺麗な容姿とは裏腹に、人見知りで愛想がなくて他人と付き合うのが苦手。クラスでは席が隣のサバサバ系女子、安藤くらいしかまともに喋ったこともない。 剛毅と同じクラスの村野瞳は、無口で無愛想、顔が怖いと女子から敬遠されるような厳つい見た目に反して、料理が特技。 二人はふとした出来事がきっかけで打ち解け、いつも一緒に村野の手作り弁当を食べる仲になった。 ところが、村野を好きになったという安藤が彼にアプローチし始め、剛毅にも夏休みが終わるまでに絶対落としてみせる!と宣言したことから――。 本編「きれい。」「温度。」と、村野視点の番外編「瞳。」「愛撫。」 書き下ろしとして、番外編(迫田スピンオフ)「スミレ。」剛毅の二十歳の誕生日を描いた短編「ずっと。」を収録。※本作は冬木真魚の個人誌作品の電子書籍版となります。

