いつも視界の何処かにいて、いなければ淋しい。変わらずそこにあるけれど、自分のものでは決してない。 東京タワーも、房原も、同じことだ。 ~『犬と東京タワー』 「桜、好きだって言ってただろう。この学校の周り、桜並木が多くて嬉しいって。去年入学式でさ」 いつもの笑顔に戻って、雄彦は僕の顔を覗き込む。 ~『さくら、さくら』 表題作「犬と東京タワー」他、書き下ろしを含む五篇を収録した初期短編集。 ※1990年代から2000年代に書かれた作品がメインです。加筆修正は行なっていますが、時代設定等は当時のままです。昔の作品であることをご承知おきの上お読み下さい。*収録作品*「犬と東京タワー」「honey」(「犬と東京タワー」続編)「ココア。」(『きれい。』バレンタインSS)「さくら、さくら」「はるなつあきふゆ」(「さくら、さくら」続編)*書き下ろし※本作は冬木真魚の個人誌作品の電子書籍版となります。
