結婚式を済ませた翌朝、見慣れない新居の天井の下で、私は彼の腕に抱かれて目を覚ました。腰に回された腕は、まるで逃がさないとでもいうように、確かな力で私をつなぎとめている。病院では「氷の先生」と呼ばれる心臓外科の主任。命の瀬戸際でも眉ひとつ動かさないと評判のその人が、私の前でだけ、冬の朝に灯る暖炉みたいに目もとを緩める。式のあいだじゅう、人前では決して笑わない彼が、私の指に指をからめて離さなかった。実は彼は、十年前のあの夜の少女を、ずっと探し続けていた。やっと見つけた、と。守るというのは派手な誓いを立てることではなく、二杯のコーヒーを淹れ、当直明けに視線を交わし、子が泣けば抱き上げる――そんな日々を、何千回でも重ねること。やがて宿った小さな命とともに、満開の桜の朝に辿り着いた、これ以上ない幸福。氷の心臓外科医が新妻だけに注ぐ、十年越しの静かな溺愛。確かなハッピーエンド。#現代TL #医者ヒーロー #再会 #運命の相手 #溺愛 #ハッピーエンド

