「あの方とはわたくしこそが天命で結ばれた一対なのです、婚約を譲ってくださいまし」と泣き伏す妹に、悪女らしく刺繍ごと譲って差し上げました

「あの方とはわたくしこそが天命で結ばれた一対なのです、婚約を譲ってくださいまし」と泣き伏す妹に、悪女らしく刺繍ごと譲って差し上げました

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花園領の婚礼刺繍祭。「緑庭の繡姫」と慎ましく評判の伯爵令嬢オクタヴィアは、衆目の前で腹違いの妹に「あの方とはわたくしこそが天命で結ばれた一対、婚約を譲ってくださいまし」と泣き伏され、婚約者の宮廷典礼長公爵を奪われる――。反論すれば哀れな被害者にしかなれない。ならば自ら悪女の席を取りに行く。若草色の絹糸を緩慢に引き抜き、棒読みの微笑で「刺繍ごとお譲りいたしましょう」と能動的に譲って差し上げた瞬間、貴族たちは「本性を現した」とざわめいた。けれどたった一人――冷徹君主と畏れられる公爵セヴランだけが、わたくしの悪女の縫い目を最初から読み解いていた。「あなたの刺繍の作法を読み解く共犯者になりましょう」。敵が自ら仕掛けた罠へ踏み込んでいくその全てを、彼だけが暗い昂揚で称賛してくださる。盤面を書き換える悪女と、縫い目を解いた素のわたくしだけが知る唯一の理解者。糸言葉で結ばれた二人が籠の縁を越える溺愛の結末へ。女性向けTL長編・全10章完結。

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    7月15日発売予定

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