辺境伯本家ヴァインベルク家の地味な分家令嬢クララには、宮廷舞踏会の華と謳われる本家嫡出長女の従姉アガーテがいる。銀の縦巻きと薄絹を纏う従姉の隣で、私は薄墨色の三つ編みと厚手の観測作業着のまま、深夜の王立観星院天測台で古天文儀の象限儀を整え続ける分家の従妹。本家のお姉様の縁談相手だった若き王立天文台長ロベルト辺境伯令息は、当然アガーテお姉様に向き合うものと思っていた――そうはいっても。「私が選んだのは、お姉君ではなく君の指先だ。三年前の大彗星観測の天測台から。本家分家の枠は俺の選択には関係ない」。星灯の冷たさに包まれた私の手を、彼は両手で包んで膝を折られた。アガーテお姉様は華のまま東方星見公国へ嫁ぐ別縁談を選ばれ、私は天測台の手仕事のまま、彼の隣に座らされている♡ 本家の姉君の隣ではなくロベルト様の隣にいる「分家の私」を肯定される、断罪なし・破棄なし・姉の没落なしの「従姉妹格差・地味分家見初め」型平行配置TLハッピーエンド長編。

