王立蜜薬寮を不当に追われた蜜薬師シャルロッテは、霧深い山峡で谷へ転がり落ち、行き倒れてしまう。彼女を救ったのは、熊獣人の若き頭領ガロン。蜜の薬湯と厚い毛皮で介抱され、岩塩泉と蜂蜜の谷で目を覚ました彼女は、生まれ持った甘みと薬気を読む稀有な舌を見込まれ、獣人共同体の暮らしに迎え入れられていく。やがてシャルロッテの指だけが、誰にも触れさせない熊の毛皮を唯一撫でることを許される——。霧の山峡の蜂群の段棚、蜜の薬湯の大釜、毛皮の手入れの粗櫛。寡黙な頭領との心の距離が静かに縮まる癒しの日々と、かつて彼女を見誤った旧職場の自滅を描く、全十章・シリーズ第一巻。【獣人/もふもふ/癒し系/拾われ/スローライフ/全年齢】
