旧アヴェンタス絵画工房の地下肖像画庫を守る画工アリーチェ。先代工房長から「命の絵筆」と古い肖像画を受け継いだ私は、ある月例補佐会で、後輩画工のジュリアに評議員継承位を奪われた。「私こそが命の絵筆の真の担い手。アリーチェ姉様は傍流でしかありません」――衆目の前で堂々と言い放たれた嘘。けれど私は何も言わず、静かに退いた。なぜなら地下肖像画庫の古い肖像画の前で偽りを述べた者は、嘘の重さに見合った歪みを自らの顔に負わされるから――。翌朝ジュリアの顔の輪郭は鏡の中で歪み、書記局長の調合の手順は崩れ、黒幕の色の見え方も鈍化していく。私は誰も裁かず、ただ顔料を擂り先代の遺品を整理するだけ。「あなたが何もしないから、僕がすべてを引き受ける」――そう告げた上席書記テオドールだけが、肖像画の隣で見届ける唯一の証人。勝手に歪んでいく彼女たちと、私たちの静かな肖像画庫の物語。因果応報・観察者構造ざまぁ長編TL、全十章完結。♡ #TL #ざまぁ #溺愛

