大修道院の薬草庵主任、修道女アンリエッタ。先代院長から「神託の天秤」を引き継いだ私は、ある月例聖務の日、同期のシルヴィアに聖女位を奪われた。「私こそが選ばれし聖女。アンリエッタ姉妹は偽りの守誓でした」――衆目の前で堂々と言い放たれた嘘。けれど私は何も言わず、静かに祭壇から退いた。なぜなら神託の天秤を祀る地下祭壇室で偽りを述べた者は、嘘の重さに見合った代償を自らの身に受けるから――。翌朝シルヴィアの指は震えて聖句を書けなくなり、先輩格マリーケの筆跡は崩れ、黒幕の大司祭の足元も崩れていく。私は誰も裁かず、誰も追わない。ただ茶を淹れ、先代の遺品を整理するだけ。「あなたが何もしないから、僕がすべてを引き受ける」――そう告げた修道院長ユーリスだけが、天秤の隣で見届ける唯一の証人。勝手に量られていく彼女たちと、私たちの静かな祭壇室の物語。因果応報・観察者構造ざまぁ長編TL、全十章完結。♡ #TL #ざまぁ #因果応報 #聖女 #溺愛
