王立図書館筆頭司書イーディス・ヴェーバーラント伯爵令嬢の婚約者には、社交界の華と知られる伯爵令嬢への寵愛が公然と続いている。北方守護騎士団指揮官代行の辺境伯嫡男ライナルト様。地味で口数の少ない私とは釣り合わない。だから婚約は私から白紙に——けれど彼は「君を放す気はない」と微笑むだけで、契約解消の書類を受け取ってくださらない。「あの伯爵令嬢が君の経歴を偽造しようとしたあの夜から、私の見方は変わった」。婚約継続のまま、雪の夜を境に、彼の眼差しと指先は私だけに注がれるようになって——。華やかなライバル令嬢が因果応報で自滅していく中、婚約解消を望んだはずの私が、いつのまにか辺境伯嫡男に骨の髄まで甘やかされている。王立図書館の書庫と辺境伯邸の暖炉を行き来する、身分差なし・断罪なし・破棄なしの「破棄せず」型逆転TLハッピーエンド長編、全十章完結。
