音大附属の女子高校三年・ピアノ専攻のあたし、結城灯、十八歳。同じ三年でヴァイオリン専攻の藤縞怜子先輩は、四月生まれの最年長で寮のフロア長を任され、年下から「先輩」と呼ばれている。二人は桐花寮三〇五号室の同室で、冬の定期演奏会のピアノ&ヴァイオリンのペアを組まされた。冷えた防音練習室、冬期合宿先・白樺山荘の二段ベッド、寮の隅のグランドピアノの楽屋裏――男が立ち入れない四つの女性専用空間で、藤縞先輩があたしから本気で求めてくる。練習で揃えた指の動きと呼吸が、夜になると別の角度の密着の作法に変わる。「灯、今夜も指、絡めて?」「朝までしよ?」「合宿の二段ベッドで、二人だけ」。男主人公も、三角関係も、別離も、結婚予感の重さもない。ただ二月の山荘で、年下扱いのあたしとフロア長の先輩が、朝まで本気で指を絡め合うだけ。全十章・継続宣言HEの単巻完結♡

