全寮制女子大の同室の先輩、藍沢千鶴、二十歳。艶やかな黒髪ロングに切れ長の一重、寮内では物静かな読書家で通っているそのひとが、四月に同じ部屋へ越してきた一年生のあたし――十八歳の薫に、入寮三日目の消灯後、二段ベッドの上段から降りてきて囁いた。「ねえ、薫。今夜、一緒に寝てもいい?」。それから毎晩、千鶴さんはあたしのベッドへ降りてくる。「薫、抱いて」「今夜もしよ?」「朝までしよ?」「一回じゃ足りない」――年上の先輩が、あたしから本気で求めてくる。男との三角関係も、別れも、結婚予感の重さもない。男が物理的に立ち入れない四角い部屋、二段ベッドと机二つと窓の外の桜の梢のなかで、年下のあたしと年上の千鶴さんが、ただ朝まで本気で求め合うだけ。女性同士の関係構造に没入する、全十章・継続宣言HEの単巻完結♡

