神保町のはずれで実家の古書店を支える平凡な書店員・灯下湊、二十八歳。家を継ぐ予定のない三男のはずが、気づけば長男代わりにこの店を背負っていた。兄を見送った白菊の夜、店先で偶然弔問に居合わせたのが、大手出版グループの御曹司・藤堂だった。業界トップの美形が、なぜか平凡な俺だけを、静かに見つめてくる。「君だけを見ている」「君が選ぶのを待つ」――番でも運命でもない、強制装置のない純粋な執着。なぜ俺なんですか、と問えば「答えは、行動で示します」と返す藤堂さんは、閉店後の店内に通い、コーヒーの湯気の向こうで、ただ静かに俺を待ち続ける。やがて俺は気づく。選ばれてこなかったのは、あの人も同じだったと。「俺もあなたを選びたいです」――待ち続けた男と、初めて自分から手を伸ばした俺。静かな執着が深い熱に変わる夜の、HE完全着地の純愛BL。シリーズ第1巻♡

