春の舞踏会で侯爵令息に婚約を破棄されても、伯爵令嬢クラリスは静かに頭を下げた。「取り乱す権利が、私にはございませんから」――役立たずと笑われた私を拾ってくれたのは、王立学院都市アルバンスの天文台長だった。亡き母から受け継いだ星図と占星の腕で、私は穏やかな星見の日々に馴染んでいく。やがてその技は学院の学者たち、そして王宮の方々にまで頼られるようになり、私を見捨てた家門の人々は、自らの選択の浅さに気づき始める。声を荒らげる復讐ではない。役立たずと笑った者たちが勝手に立ち行かなくなる、静かな「ざまぁ」と、寡黙な台長との星空の下の寄り添い。婚約破棄から始まる拾われスローライフTL、夜空に満ちる全十章完結のハッピーエンド。
