系列に吸収された古書店から鷹宮百貨店本社・販促部へ配属された私を待っていたのは、「氷の本部長」と呼ばれる御曹司・鷹宮玲司・常務。七年前、豪雨の夜に絶版の一冊を求めて駆け込んできた、あの青年だった。「やっと、見つけた」──冷徹な双眸の奥で燃える、七年越しの執着。私は彼を覚えていないのに、彼は私のページを繰る指先まで覚えていた。深夜の執務室、政略縁談の影、貸したまま戻らない一冊『霜夜の燈』の意味。誰の記憶にも残らないと諦めた私は、七年間、一人の男に正確に大切に覚えられていた。記憶執着の格差溺愛・現代TL長編、全10章完結。
