古都の旧花街筋に三代続く老舗料亭・瓢屋。大学院を出た俺(29)は、養子縁組でこの店の七代目候補として入家した。厳格な養父・仁右衛門と、女将の佳乃(37)、義姉の紗綾(25)、住み込みの従姉・凜子(31)、義妹の唯(22)——女たちは皆、俺と血は分かたれている。暖簾を下ろした後の客間、帳場の硯、板場の湯気。家業継承見習いの協働が物理的距離を縮めていく。養父がいつ戻るか、襖一枚隔てた客間の気配。店の表の顔と、暖簾の奥の素の顔。二重性は四人へ静かに広がる——シリーズ第1巻・全10章完結。
7月3日発売予定
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暖簾の奥の乱れ