年上の女と年下の男のあいだに起きた、十二の本当らしい嘘。匿名で寄せられた声を、語り口だけはなるべく残してフィクションとして再構成した告白集。火曜日の会議室で「使えない子」だと見下していた後輩に溺れていく広告代理店勤務の女――世間が「母性」のひと言で片づけたがる関係の奥にあるのは、征服欲も、逃避も、ただの渇きもある。育てた人、踏みとどまった人、溺れて何もかも失った人。行間からにじむのは「もう一度、自分という人間を見つけてもらいたい」という剥き出しの願い。読み終えたとき断罪したくなるか、肩を抱きたくなるか――あなた自身の試金石になる一冊。
