星と魔導の森に浮かぶ古い宮、銀枝宮。古い星図書館で星図と魔導書を写すだけの地味な写本師、それが俺、シオンの暮らしのすべてだった。誰にも特別だと思われない諦観の中、二十歳の春に初めての発情期が訪れる。Αが殺到する危機の瞬間、俺を腕に抱き保護したのは、銀枝宮を統べる長命の大魔導師──氷の魔導公ヴェスペルだった。「お前は俺の番だ」。長い時、運命の対を探し続けたという月詠みの公の翡翠の瞳が、俺だけを射抜く。番の儀式、魔導評議の政争、星霊の血の系譜、銀月の護符──運命と血の必然に絡め取られながら、俺はやがて自ら項を差し出す覚悟を持つ。BL異世界オメガバース長編、シリーズ第4巻・全10章完結。

