古代帝国下で仏教を受け入れたチベットは,実践的修行と精緻な教理をともに発展させ,仏教に根ざした文化と社会を築いてきた.言葉を超えた直観的悟りを求める密教の体系,論理による真理の探究,他者を思いやる慈悲の教えは,今もなお私たちの心を惹きつける.その心髄を教義論争とチベット社会の諸相に探り,解き明かす.詳細