シュクレ公爵令嬢リリシアには、物心がついたころから前世の記憶があった。
この世界が18禁乙女ゲームの世界で、自身が悪役令嬢リリシアだと彼女は知っていたのだ――。
前世からの『推し』である王太子・テオフィロス殿下の婚約者として幸せな日々を送りつつも、いつか現れる『ゲームのヒロイン』に席を譲る覚悟を決めていたリリシア。
しかし、彼から向けられるのは嫌悪どころか独占欲に満ちた熱烈な愛ばかりで――。
一方で、この世界の予言者から告げられたのは「リリシアが城に留まれば、世界を混沌に堕とし、彼を破滅させる」という残酷な未来だった。
最愛の人の未来を守るため、城を出る決意をしたリリシアは、最後に思い出を貰うため、テオフィロスの部屋を訪れて――……。
「こんなに誘惑されて、抗えるわけがない。愛している」
切ない覚悟を胸に秘め、とろけるようなテオフィロスの甘い抱擁の中で涙を堪えるリリシア。
テオフィロスの未来、そして世界を救うため、彼女は婚約解消に向けて動き出すのだが……!?
