【単話版】身の丈程の長さの両手剣を背負い、温和な雰囲気を持つ中年男、シド・バレンス。冒険者歴22年のベテラン冒険者だが、彼のランクはかろうじて一人前と言われる≪銀階位≫だった。それは長年冒険者を続けていたにもかかわらず、それ以上の高みへと登れるような冒険を果たせず、かといって冒険者を辞めるでもなくその立場にしがみつき続けたみじめな冒険者であるという事。長年付け続けた≪銀階位≫の証である銀バッジは汚れてくすみ≪くすんだ銀(オクシタイズド・シルバー)≫と軽蔑の意を込めて呼ばれるのがシド・バレンスという冒険者であった。しかし彼と共に冒険を越えた者は、彼が強く、誇り高く、心優しい冒険者ということを知っている。時には誰かの為に事件を公にせず、時には誰かの夢の為に手柄を譲りその背を押した。≪くすんだ銀≫はそれらの〈記録に残らなかった〉冒険の証。自分もいずれは歳を取り、どこへも行けなくなってしまう日が来るかもしれない。それならば、今こそ他の誰の為でもない、自分のための冒険を始めよう。 ※本コンテンツはCOMICユニコーンWEB掲載の『くすんだ銀の英雄譚 ~おひとよしおっさん冒険者のセカンドライフは、最大最難の大迷宮で~』第1話を抜粋し収録した【単話版】です。単行本との重複購入にご注意ください。
