ある資産家の死、そして遺族である異母兄弟にのみ公開された遺言書の謎
いま、健雄の心は混乱していた。あの遺言書公開の日の奇妙な光景は、いまも、健雄の心の中に大きくとどめられているのだ。封書のままの遺言書を読みおえたときの、暎二、史子の驚き、そして、その銀一の冷静さは、いったいなんだったのだろう? あのときの、三人の不可解な態度と、こんどの銀一の事故死の間には、なにか関連でもあるのだろうか?(「死者の残照」より)
学習雑誌に掲載されたジュブナイル・ミステリを5本収録した短編集。
*条件反射の少年
*呪いへの挽歌
*悲しき報復者
*青き惑いの午後
*死者の残照
●石津嵐(いしづ・あらし)
1938年、福島県いわき市生まれ。日大中退後、手塚治虫に師事し、虫プロダクションの文芸課長として日本初のテレビアニメ『鉄腕アトム』の脚本を担当して以来、数多くの作品に携わる。旺文社の雑誌『中一時代』から『中三時代』などにジュブナイルを発表後、豊田有恒からの依頼による『宇宙戦艦ヤマト』の小説化で本格的に作家活動へ。SF、サスペンス小説など著作多数。
