昭和20年3月、太平洋戦争末期。戦争で兄を亡くした少女・梓は「兄にできなかった分、誰かに寄り添いたい」という思いを抱き、兵士の生活を世話する女学生奉仕団に参加することを決意する。鹿児島県・知覧基地で働くことになった梓は、どこか兄に似た気配を漂わせる青年・陽人と出会い、少しずつ心を通わせていく。だが、ついに陽人が「特別攻撃隊」として飛び立つ日が訪れた。梓から一羽の折り鶴を託された陽人は「この折り鶴と最期まで一緒にいる」と言い残して飛び立っていく。そして、心に傷を負った梓は、昭和20年7月、家族が待つ長崎の家に帰り着いて――。

