10年前に香港のとあるベンチャーキャピタルがあるアルゴリズムを正式に取締役に任命し、投資判断における議決権を与えた。当時は単なるパフォーマンスとしか捉えられなかったが、現在のAIの急速な進歩を考えるとけっして夢物語ではないだろう。だが、本書の筆者らが欧州、アジア、北米企業の取締役会会長らを対象に調査したところ、取締役会の意思決定の向上にAIを利用することについて、必ずしも前向きではないようだ。本書では、AIが個々の取締役を支援し、取締役会全体によりよい情報を提供し、取締役会における議論に関わることで、その業務にどのように貢献できるかを説明するとともに、AI活用のリスクについて検証し、その軽減策を提示する。そして、それぞれの取締役がAIの使い手となるための実践型の学習プロセスを紹介する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2025年9月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。
