「毒婦」と呼ばれた女たちは、本当に悪女だったのか。愛ゆえに男を焼き殺したと伝えられる清姫。尼将軍として冷徹な政治判断を下した北条政子。豊臣滅亡の「戦犯」として語られてきた淀殿。江戸を火の海に変えた八百屋お七。日本史の闇に刻まれた女たちの名は、いつの時代も「悪女」「毒婦」という蔑みとともに語られてきました。しかし、彼女たちは本当に生まれながらの怪物だったのでしょうか。本書では、神話・伝承から戦国、江戸、近代に至るまで、歴史を揺るがした25人の女たちの生涯を検証。凄惨な事件、怪談、伝説、スキャンダルの裏側にある、彼女たちの「人間らしい素顔」と、彼女たちを“鬼”に変えた時代の正体に迫ります。清姫の狂気的な執着の裏に隠された、あまりに純粋な悲劇。北条政子の母としての葛藤と、尼将軍としての冷徹な政治判断。淀殿が豊臣滅亡の「戦犯」に仕立て上げられていく過程。お岩や八百屋お七の物語に刻まれた、当時の社会が女性たちに強いた選択。「毒婦」という言葉の裏には、男たちの都合や、社会の歪みが隠されているのではないか。単なるスキャンダラスな物語ではなく、時代に翻弄され、愛し、憎み、抗った女たちの情念の記録として読む、妖しくも哀しい日本史アンソロジー。■目次●第1章 狂恋と裏切り清姫/八百屋お七/『四谷怪談』お岩/美濃の鬼女●第2章 戦国~江戸時代を彩ったスキャンダラスな女築山殿/淀殿/桂昌院/延命院事件・智泉院事件/絵島生島事件●第3章 後妻打ち藤原安子/蔵人命婦/北条政子/慶円と陽泰院/うわなり神事●第4章 神話と怨念イザナミ/須勢理毘売/磐之媛/井上内親王●第5章 妖怪紅葉/産女(姑獲鳥)/七尋女房/飛縁魔

