鐘が六つ鳴ったら定時で帰る――それが前世で過労死した女書記官マリエッタが唯一自らに課したルール。宮廷書記局で五年間働き、提出した改善案は、その数、二百四十七件。けれども、その功績者としての名前は、上司によって奪われた。異世界でも続く不条理を変えたのは、手続きを無視した理不尽な公爵令嬢への断罪の儀と、いつも退勤時刻にすれ違う、無表情ながらも、やさしさを漂わせる監査官アーレンスの存在。これは、奪われた名前を取り戻し、二人が新しい生活を始めるまでの物語。人気Web小説、全面改稿&新章書き下ろしで贈る決定版。
