哲学は新しい文体を探してきた。青木海青子さんはきわめて論じにくい哲学的主題を軽やかに深くかつ正直にたどることで新しい文体を創出した。──内田樹(凱風館館長)暗がりをひとり歩いてきた人の言葉は、私たちの足元も照らしてくれる。──牟田都子(校正者)好評の『不完全な司書』に続く、山奥にたたずむ図書館の司書エッセイ。奈良県東吉野村に借りた古民家の自宅を「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」として開いて10年。この図書館を運営してきた司書が綴るエッセイ集。本という窓をとおして世界を見てきた著者が、「まどのそとのそのまたむこう」へ歩み始めた。「山へ分け入る」とは、いまの社会的趨勢への抵抗の意。図書館は自由を守る砦となりうるという確信とともに、主宰する「生きるためのファンタジーの会」「戦争と社会を考える会」の活動、日々の図書館の出来事、障害当事者として感じる社会への違和感などが綴られる。『バスラの図書館員』はじめ、収蔵する図書の読書案内にもなる、本の山へ分け入る旅の物語。“薄暗い部屋の中で本を窓のように開き、本の中に広がる世界に想いを馳せていた子どもが、ある日、モーリス・センダックの絵本『まどのそとのそのまたむこう』の主人公の少女・アイダが、窓の外のそのまた向こうの世界に踏み出していったように、本の向こうの世界に背中から飛び出していくような旅の物語です。”(「まえがき」より)【目次】まえがきI 山へ分け入る図書館、山へ分け入る掃除と人権氷山の全体を思うどうすれば、出会えるだろう走れ、大切なものをその胸に抱えてII 生きるためのファンタジー大きな活きのいい魚を運ぶ不安との向き合い方『クラバート』と魔法と、夜の闇神様を待つように眼鏡とスパーク自らの内に響く波音III 戦争と社会を考える「戦争状態」からの「撤退」Social goodの危うさまどのそとのそのまたむこうへ「剥き出しの生」から考え始める戦争とファンタジー、心の病を貫く「たましいの現実」IV 自分で言葉を選ぶ人を思う場「あなたのために、あなたがあなたであることを手放しなさい」と言わないためにそういう人ルールを書かないことは、グローバル化への小さな抵抗?自分で選ぶあの日の台所に開いた窓頼りなく揺れる言葉たち私は私の身体を発見する全体性を取り戻すあとがき
