下谷山崎町の三軒長屋の住人たちがこつこつ積み立てた金が盗まれた。みな、健康や生計にさまざまな悩みを持つものの、悪事をはたらきそうな者など誰ひとりない長屋で起きた盗難の真相とは──(「消えた薬代」)。生国・備中松山の名産品を扱う神田須田町『松山屋』主人にして、子供や貧しい者でもたしなむことのできる、格式張らない茶道の宗匠としての顔も持つ松山屋甲子太郎。人情に篤く、男女身分の分け隔てなく接する甲子太郎が、自身のもとに寄せられる悩み事や事件を、門人の少女・小千代とともに解決していく! 温かなまなざしと江戸情緒に包まれた、実力派時代作家による新シリーズ開幕!
