大学生の籠守レントは、人付き合いが苦手で、部屋にこもっては物の分解と修理に没頭するコミュ障だ。彼のブログ『文明学級日誌』は、道具の仕組みを授業みたいに語り、道具たちを擬人化して紹介する、ちょっと変わった人気サイト。大雨が降りしきるとある日、そんな彼のもとへ金槌の付喪神カナが現れる。窓をぶち破る勢いで押しかけてきた彼女の頼みは、友達――懐中時計の付喪神トキを助けてほしい、というものだった。壊れていないはずの時計が苦しむ理由は、機械の故障なんかではない。持ち主が受ける社会のストレスが、心を通じて付喪神をも蝕み心理暴走(ネガティブ・シンドローム)を発生させる。道具を愛するレントのの手は、人の心の問題に届くのか。メカニズム偏愛と人間嫌いの大学生が、擬人化された物たちの世界に巻き込まれていく、現代付喪神ファンタジー。

