優しすぎる夫が、怖かった。
18歳でクラリッサは、心から慕っていたロブと結婚した。でも一回り近くも年上のロブが優しすぎて、ときどき不安になる。富豪の夫は幼いクラリッサを愛しているわけではなく、兄と父を亡くした彼女と母を救っただけではないか。厳しい親に躾けられて、寝室の行為もほとんど無知に等しかった。だからきっと彼を失望させているはずだと……。妊娠が判明した夜のこと、クラリッサは信じ難い光景に目を疑う。自分の母親とロブが熱く抱擁している姿を見てしまったのだ。動揺した彼女は「私でごめんなさい」と謝り、すぐさま逃げた。
