時は二〇XX年。テニス界に激震が走った。第1回全日本青少年高天原(たかまがはら)オープン。優勝賞金二〇〇万円を争奪するテニスの大会。出場資格は18歳以下。学生を含む。その特異性は、二十歳にも満たない子どもに大金を与えるというものだけではない。ミックスダブルス――男女混合の2人組(ペア)でおこなわれるという、レギュレーション。友達以上、恋人未満。お互いをパートナーとして尊重し合えるプレイヤー同士の結束力が存在しなければ、高みを目指すことは叶わない。「さあ、約束だったよな。俺とペアを組んで高天原オープンに出てくれるって」「……考えるとは言ったけれど、組むと約束したわけじゃないわよ」「負けといて今さらそれ言うか!? 頼むよ、一緒に天下獲ろうぜ!」コートに響くのは少年の咆哮と、悔しさから彼を睨みつける少女の声。真直な少年、申渡悠希。孤高の少女、狗上優姫。これは、ふたりの男女がともにテニスの頂点と未来を目指す物語。
