村で唯一の薬屋を営むフィミア。将来を誓い合った幼馴染のライナスが“勇者”に選ばれて旅立ち、フィミアは彼が無事に帰還する日を待っていた。しかし突き付けられたのは、ライナスと聖女である王女の婚約話だった。「フィミア、ごめん。旅の間に姫に命を救われて、それで……」別人のようになったライナスの左の薬指には、フィミアが手作りした指輪はない。二人で将来を誓い合い、神殿で祝福してもらった結婚指輪。それを身に着けていない彼に、フィミアが未練を持つことはなかった。「どうぞ王女さまとお幸せに」ライナスと王女が去っていったあと、ある確信を持ったフィミアは、急いで旅支度を始める。たくさんの荷物と馬、そして――“封印解除”のスキルを持って、彼女は指輪へ願う。「ライナスのところへ連れて行って!」まばゆい光に包まれたあと、暗がりの中で目を開く。そこには、フィミアの愛する人が眠っていた。――これは魔王を討伐した最後の勇者ライナスと“封印解除”のスキルを授かった薬師フィミアの、魔王討伐凱旋“その後”の物語。"
