貝殻航路

貝殻航路

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霧深い道東の街で淡く光を放つ希望の航路北方領土を間近に望む土地に生まれ、漁師の父に育てられた主人公は、アイヌにルーツを持つ夫と結婚し釧路の街に移り住む。アラスカからの豪華客船が釧路に寄港するというニュースの一方で、ミュージシャンの夫は行き先も告げずに家を出た。倦んだ孤独をひとり抱えるわたしは、幼いころに父と見た貝殻島のことを思い出す。「カイカライ。波の上面低いもの、という意味で、満潮になれば水没してしまうちっぽけな島だよ、日本では貝殻島、カイカライはアイヌ語ね」北方領土という戦後史にひっそり佇む貝殻島の灯台、かつて海上の国境を越えロシア船に拿捕された父、静かに民族の記憶をつなぐ夫とその妹――いくつものかすかな光が敷きつめられた貝殻島への航路とは。北海道東部、道東と呼ばれる土地の風土を細やかに描き、そこに暮らす人間の内奥に迫る野心作。選考委員から高い評価を得た第174回芥川賞候補作。
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  • 貝殻航路

    3月12日発売予定

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