好きだと、言えば終わってしまうと思ってた――。幼なじみで結成された音楽ユニット「OTOTSUMUGI」。天性のカリスマを持つ優性アルファ・眞之(まさゆき)と、歌声だけを武器に立つ善典(よしのり)。――善典は誰にも言えない秘密を抱えている。それは彼が人を強く惹きつけるフェロモンを持ちながら、生殖機能はほぼないという矛盾した体質の“劣性オメガ”だということ。ステージの上では完璧に噛み合う二人。しかし舞台を降りれば、眞之は視線を合わせない。近いはずなのに、遠い……。ベストアルバム、ドラマとアニメのタイアップ、そして一万人規模のワンマンライブ――夢は現実味を帯びるほどに、二人の間の“不協和音”も大きくなっていく。アルファとオメガという運命を超えて、二人は対等な“相棒”でいられるのだろうか……。これは、劣性オメガと優性アルファの幼馴染が奏でる、恋じゃ足りない愛の話。
