妖怪退魔師・平一乃と藤乃は、桜咲き乱れる吉野山へ妖怪退治に向かう。そこはかつて、源義経と静御前が永遠の別れを迎えた悲劇の地だった。共に戦い、互いを想い合いながら妖怪を討つ二人は、山麓の村で「どちらかが命を落とす」という不吉な予言を告げられる。その原因は、二人が抱える“心の傷”だという。予言に動揺する平一乃を、藤乃は抱きしめる。愛しているからこそ、守りたい。だがその想いは、やがてすれ違いを生む。夜明け前、藤乃は一乃を残し、たった一人で大妖怪・待ツ桜鬼のもとへ向かう。待ツ桜鬼は、愛する者と生き別れた女の執念が具現化した存在だった。その妖気は藤乃に義経の面影を見出し、二人の絆を引き裂こうとする。追いかけてきた一乃は、愛を否定する言葉と幻想に追い詰められ、ついに待ツ桜鬼に捕らわれてしまう。引き裂かれそうになる二人の想い。桜の山で、愛は試される――。

