夫はずっと、不倫をしていた。相手は私の後輩だった。妊活に必死だった日々を笑われ、目の前で情事を見せつけられたあの夜――私の心は、音を立てて砕け散った。そんな絶望の夜に出会ったのは、怪しげな色気を纏った年下の男。優しさに触れ、ただ一度だけ心と身体を委ねた。二度と会うことはない、あの夜限りの関係……そう思っていた。けれど数日後、私は再び彼と出会う。彼の名は雨音。私が教える高校の生徒だった。決して濡れてはいけない、“甘い雨”。それでもこの雨は、壊れたはずの私の心を、静かに、甘く揺らしていく――。
既刊(1-17巻)
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濡れてはいけない甘い雨【タテヨミ】1話