暴走族「横浜地獄小僧」の走り屋だった陽一は、仲間との疾走の最中に事故で命を落とした。残された親友・和男は自責の念を胸に、昼は汗にまみれる肉体労働、夜はただ酒場に通う日々を送っていた。陽一の妹・麻子は、兄の死に関わった和男を許せず、「2ケツでお兄ちゃん殺しておいて…張本人は毎晩飲んだくれてるわけ?」と激しい言葉をぶつける。しかし、麻子の知らない真実があった。和男は亡き友の代わりに、生活費を密かに稼ぎ続けていた。「オレとあいつの約束だったんです…!」横浜の夜景が照らすのは、罪と友情、そして止まらない若者の衝動。「俺と恋人に似合う街だぜ!横浜っってところはよォ!!」――横浜の風をぶっちぎれ! 鬼才・前田俊夫が描く青春の欲望と渇望! 表題作に加え、妖獣と人間の終わりなき因果を描く幻のセクシーバイオレンス「獣たちの黄泉」を特別収録。
