札幌で居酒屋を営んでいた桃子の夫が亡くなって一年。「子ども食堂」だけ細々と続けていた桃子のもとに、元キャリアウーマンの百合、夫婦二人で暮らしていた澄子が訪れる。中学時代からの親友たちもそれぞれの人生を歩み、気がつけば皆、67歳になっていた。そして、桃子は二人の提案で、彼女と夫が一緒にやっていたお店を再開することにする。リニューアルしたお店では、北海道の旬の食材を用いつつ、手軽に作れるリーズナブルな家庭料理を提供。食べに来たのは、乳がん手術後の女性や、今の世の中についていけない高齢男性、近所の小学生たち。皆、それぞれ悩みや不安を抱えていて・・・・・・。個性豊かなおばあちゃん三人のやさしさと、お手製のカレーライスなどの懐かしい味が、明日への元気を与えてくれる連作短編集。文庫書き下ろし。

