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機械仕掛けの音楽誌

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歯車は奏で、幻想は踊る。 いざ、音楽と機巧(からくり)の迷宮へ! ラッパが響きわたる人工洞窟、 海と怪物のスペクタクル、 即興演奏を記録する機械、 虹色を奏でるクラヴサン、 フルートを吹く自動人形、 天使の楽器アルモニカ、 香りをふりまくオルガン…… 命なき楽士たちがつづる500年の音楽史。 「音楽は人の手が楽器を鳴らして演奏するもの、人が声を発して歌うものだ。そういう常識の片隅でわたしたちは、機械じたいが鳴らす音楽に心惹かれずにはいられない」 ──「前口上 機械が歌をうたうとき」より 「人を驚かせたいという願望が自動人形や自動演奏機械、早変わりする舞台装置を生み出した。アルモニカの音色、ファンタスマゴリーの誘惑、色と音と香りの共鳴、そこには人間の認識にたいする科学の夢がある。あるいは、消えてしまう即興演奏を書きとめようとする試み、これはレコーディング、そして現代の打ち込み式の楽譜入力で可能になった。しかし、その思想・願望は18世紀には生まれ、それほど現代とは異ならないかたちで提案されていた。ただその当時の技術が追いついていなかっただけである」 ──「あとがき」より 『月刊アルテス』好評連載、待望の書籍化!
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