元婚約者バルトルトから魔法を取り戻したレナーテは、その後に実家で起きた盗難事件などに奔走するが、それらも無事に落ち着き、学園生活へと戻っていた。しかし王都では、魔法を奪い、権力を振るうアダルベルト公爵夫人と、それに対抗する王家との対立が激化していた。レナーテの婚約者となった第二王子ヴィクトアは、王家の安泰のため彼女に協力を求める。だがレナーテは、国王や王太子がヴィクトアを都合の良い「スペア」として扱い、彼自身もその自己犠牲を当然として受け入れている歪んだ現状に気づいていた。愛する彼のため、レナーテは国王夫妻すらも脅しつけ、大胆な反撃に出る。一方、ヴィクトアもまたレナーテの激しい愛に触れ、王家の駒ではなく一人の人間として生きるため、兄である王太子と対等な交渉に臨む決意をする――。不器用な王子と最強の令嬢が織りなす、爽快な逆転劇と溺愛のフィナーレ!

