ある小説家の元に身を寄せていた櫓木卯一は、借金の取立てにやってきた暴力団大和会花村一家の組長代行・明虎とその部下で卯一の高校の同級生、浅生田と遭遇。明虎に興味を持った卯一は、彼に近づくため、花村一家の親戚筋にあたる弥生組の幹部・半田に近づき、関係を持つ。そんなある日、奪われた知人の金を取り戻すためある暴力団の組長宅を襲撃した卯一は、うっかり「花村組」を名乗る。明虎と家族になりたいという思いからついたつまらない嘘だった。花村組からも追われ、公衆トイレで震えていた卯一の前に現れたのは明虎だった。だが明虎は嫉妬に駆られた半田に刺され、半田の卯一への執着に激した明虎は、半田を撲殺し卯一を匿うことに――。