フリーの医療魔術師として各地を転々としていたクララは時折、今は過去のことになりつつある夫ウォレスとの日々を思い出していた。
彼はどうして妻である自分を裏切り、他の女性と暮らしていたのか。愛しあっていたと思っていたのは自分だけだったのか。
その事実から目を逸らし、自分を裏切った夫から逃げてきたというのに、クララの心は今もウォレスに囚われていた。
しかしそんな時、クララはウォレスが血眼になって自分を探しているという事を知る。
なぜウォレスが自分を探すのか理解できず再び逃げ出すクララ。
そうしてウォレスから逃げる中で、クララはとある町の教会を訪れることに。そこで出会った老人の言葉から、クララの記憶の中にあった点と点が繋がっていく。そしてウォレスの過去と秘密が明らかになったその時、クララは……。
切なくも胸熱必至のハッピーエンド!
電子書籍版では本編後のエピソードを特別に書き下ろしたものを収録。