王太子のフィルマは、婚約者である公爵令嬢のリザベルに、一週間後の卒業パーティにて婚約解消の発表を行うことを伝えていた。淡々と了承したリザベルに不信感を抱きながらも、フィルマは愛するリリィの元へ向かうため早々にその場を後にする。しかしその途中で不運な事故に遭ったフィルマは、次に目覚めた時、なんとリザベルと婚約を結んだ日にタイムリープしてしまっていた。それも、彼女の身体に憑依する形で。
そこでリザベルの過去を追体験することになったフィルマは、少しずつ彼女に隠された真実を知っていくことになる。
愚かな判断をしたと自分を責めるフィルマは、事故直後の現在に戻って来たと同時に、彼女の元へ向かって走り出し――。
これは、ひょんなことから婚約者の過去を知った青年が、彼女の幸せのために奔走する1週間の物語。
電子書籍用に、フィルマが遡ることのなかった婚約前の一幕を書き下ろしで収録。差し出された1枚のボロボロの絵を、リザベルがどうしても守りたかった理由とは――?
『婚約解消したら、彼女の過去にタイムリープしてしまったみたいなんだが。(1)【分冊版】1』には『第1章 タイムリープ』~『第1章 タイムリープ』までを収録。