作家としての窮状さえも、フィッツジェラルドは
見事に小説に結実させていった――
華やかな喧噪の日々から一転、三十代にして迎えた不遇の時代にも、
フィッツジェラルドは多彩なスタイルの短篇小説と、
「壊れる」三部作ほか秀逸なエッセイを残した。
人生の暮れ方に描かれた、美しくゆるぎない物語。
早すぎる晩年となった一九三〇年代のベスト集。
〈短篇小説〉
異国の旅人
ひとの犯す過ち
クレイジー・サンデー
風の中の家族
ある作家の午後
アルコールに溺れて
フィネガンの借金
失われた十年
〈エッセイ〉
私の失われた都市(『マイ・ロスト・シティー』改訳)
壊れる
貼り合わせる
取り扱い注意
若き日の成功